日本に生息している野生の熊は、ヒグマとツキノワグマです。
生息地もハッキリしており、ニュースで話があがるのもこの二種類でしょう。
そのせいか、熊と言えば黒いボディに四つ足のイメージがありますが、動物園でみるホッキョクグマは白いからだの「シロクマ」です。
同じ熊ですがその体の違いは何によるものなのでしょうか?
また、ヒグマとホッキョクグマのかけあわせといったような交配は存在するのでしょうか。
熊と白熊!違いは色だけじゃない!
ヒグマとシロクマには、体毛の違い以外にも異なる身体特徴があります。
そもそも、シロクマは何故白い毛なのでしょうか。
シロクマのみならず、北極や南極といった極寒の環境にいきる動物には白い身体のものが多いように思えます。
これは光の屈折によるものですが、実際は毛の奥にある皮膚まで太陽光を届かせ、発熱をするためです。
また、身を隠す場所のほとんどない北極では、身体が白いこと自体が風景にとけ込むカモフラージュとなり、獲物に気取られないようにするため、もあります。
その他の違いには、泳ぐことに秀でた身体をしていることです。
ヒグマが川でサケをとる風景は木彫りの熊のモデルになるほど有名ですが、北極ではそんな浅い川はありません。
氷の周辺は海であり、水中に潜る獲物を狩ることもしばしば。
ですので足の裏にみずかきのようなものがついていたり、泳ぎやすいような骨格をしていたりと、特にホッキョクグマは泳ぐことを意識した体格をしているのです。
熊と白熊の交配はできるの?
熊の系譜については現在も研究が続いている分野であり、その分岐についてすべてが解明されているわけではありません。
しかしヒグマとシロクマの分岐については約4万年前までさかのぼると研究で明らかにされています。
気候変動によってシロクマが陸地へ上陸し、ヒグマと交配して新しい熊が誕生したそうです。
また、近年では2006年にヒグマとシロクマの混血種が確認されており、現在でも交配は可能であるという結果が出されています。
外見は全体的に白くシロクマの遺伝子が色濃くでています。
肩などの身体的特徴の一部はヒグマに近いのだとか。
現在でも世界の動物園で「ハーフ」の熊の誕生が確認されています。
まとめ
歴史をひもといていくと、思わぬ形で実は密接な関係があったヒグマとシロクマ。
動物園で同じ檻に入れると未だに「ハーフ」が誕生するとのこと。
もし環境が今と異なる時代に生きていたら?
新しい熊の誕生は自然環境の変化ひとつで現実味を帯びてきます。