『富山の薬売り』は半年に一度程立ち寄って、置き薬から使った分の料金を払うシステムで日本全国を回っていました。
その薬売りの薬には、赤玉や発汗散、などがあり、そのなかに熊の胆(クマノイ)という真っ黒い薬がありました。
熊の胆は特別な薬との意識が強く、なかなか封を切りませんでした。
富山の薬売りは全国の家庭をくまなく回っていたので、熊の胆は日本の家庭では常備されていた薬です。
熊の胆汁の期待される効果とは?
熊の胆汁の効能は昔から知られています。
熊の胆嚢を、胆汁を残したまま干し上げると熊の胆と言う薬になります。
熊の胆はなんと飛鳥時代から使っていました。
その薬効は消化器全般に効果があると期待されています。
ユウタンと呼ばれ、丸薬のほか、粉もあります。
熊の胆は中国から遣唐使によってもたらされたと言われています。
1927年に日本で成分が明らかにされています。
成分はタウロウルソデオキシコール酸で現在でも医療の現場で幅広く用いられています。
また合成することにも成功しています。
熊の胆の効能は健胃薬や気付薬として胃腸全般に使われています。
丸薬が一般には知られています。
今も飲まれているのです。
ほろ苦い味で、子供たちは嫌がりました。
アイヌ民族の間では、作り方から薬効まで継承されています。
熊はアイヌ民族にとっては重要な役割を果たしてきました。
毛皮を取り、肉を食べ、薬として使われてきたなくてはならない動物でした。
熊の胆を取りながら、熊が今も生息できているのは、捕獲頭数を制限して管理していたと考えられています。
現在国内では、乾燥技術の伝承が途絶えたりしたため、生産が減少しています。
そのため価格が高騰しています。
ほとんど輸入に頼ることになりました。
天然の熊の胆は漢方薬として販売されていまさす。
まとめ
韓国では熊が乱獲されたため、現在では野生の熊は絶滅状態です。
理由はやはり熊の胆の薬効にあります。
熊の胆は信仰するに至るほど期待値が高い薬だったのです。
現在は国内に輸入ものの熊の牧場を作り、熊の胆を継承しています。
天然の熊の胆と称して、まがいものも出回っていますので、信頼できるお店から入手するようにして下さい。