熊肉は、現在ではほとんど市場に出回らない貴重なお肉です。
年間1~2千頭程度が捕獲され、その1割程度が食用として用いられています。
全身を食用として利用することが出来るので、一頭からとれるお肉は多くあります。
少量でもうまみを感じることのできる、非常にうまみの強いお肉で、骨よりも脂身のある部分の方がダシとしてよりよい味が出る特徴があるお肉です。
コラーゲンなども多く含まれているため、美容に効果も期待できると珍重されています。
そんな熊肉は、どんな風に解体されているのでしょうか。
血抜きの方法
解体の際に何より大事なのは、血抜きです。
これをしないことには、肉がどんどん臭くなっていってしまい(獣臭はどうしても残りますが)、食べにくいものになってしまいます。
基本的には、喉元を切って、そこから血を抜いていく方法をとります。
鶏や豚の解体の際に、首を切って天井からそれらを吊り下げておく、というのはよく知られているのではないでしょうか。
ただし、これをするには設備が必要になることもなるので、熊などの獣肉を加工する場合には、傾斜地を利用し、頸部を下に向けることで血を重力に任せて抜いていくという方法がとられることがよくあります。
解体の手順
熊の解体はまず皮をはぐところから始まります。
体の中心からナイフを入れてはぎます。
手足は、関節の部位から外してはぎます。
それから内臓を取り出すために腹部、胸部を開きます。
先ほど書いたように、熊は内臓なども食べることが出来るので、傷つけないように注意しながら出していきます。
肋骨の根本などの固い部分は、なたやのこぎりを使いながら注意して開きます。
そして最後に、胆のうを脇の側から慎重に外し、胆汁が漏れてしまわないように胆管をひもできつく縛ってから、切り取ります。
このような手順で、熊を解体することが出来ます。
まとめ
どのようなお肉を食べるときにも、このような解体は行われているわけですが、その間にどれだけの工程があるのか、ということを考えると、普段食べている食材への感謝も増すのではないでしょうか。
貴重な熊のお肉を、一度食してみたいものです。