熊はお肉や脂肪、血液などどこの部位を頂いても薬用として万能と言われています。
その中でも特に腹痛に良いとされているのは熊胆(ゆうたん又はたんのい)と呼ばれる、胆嚢や胆汁を乾燥させた漢方薬が有名です。
では、その熊胆はなぜ腹痛に良いと言われるのでしょうか?
調べてみました。
腹痛に良いと言われる熊胆について
熊胆は奈良時代に中国から伝えられ、江戸時代に広がりました。
胃のむかつきに良いと言われ、飲み過ぎた後や油物を食べ過ぎて胃がもたれた時などお世話になっている方も少なくないでしょう。
その他にも食欲不振や便秘にも期待されます。
熊胆の成分は?
タウリンやアミノ酸、デオキシコール酸、胆汁酸などを含有しています。
主成分はタウロウルソデオキシコール酸で胆汁酸代謝物で鎮痙作用や利胆作用が期待できる成分ですので、腹痛に良いでと言われています。
このウルソデオキシコール酸は比較的細胞毒性が低いので体には大丈夫です。
胃腸のバランスや栄養の吸収をスムーズにしてくれることに期待されます。
熊から抽出して乾燥させても成分の効能は変化しないと言われています。
実は医療でも使われている!?
ウルソデオキシコール酸は胆汁の流れが良くなり胆石を溶かす働きが期待できるため、胆石の治療に利用されています。
ただし、完全に胆石を取り除くことができるわけではありません。
6ヶ月〜36ヶ月の治療期間を要しても、胆石の原因となる胆嚢は温存するので、完全にきれいにするということは難しいのです。
熊胆は衛生面は?
日本で熊胆を扱う場合、捕獲した熊から胆嚢を採取する際には必ず個人で行うのではなく、役人が立会います。
そして、商品になる際には必ず入念な検査を重ね、試験に通ったものが商品になります。
ですので国産は安全と言えます。
しかし、中には検査を行っていないものもありますので注意が必要です。
日本に流通している熊胆
日本に流通しているものは中国で作られたものが多いです。
中国では熊胆用に熊を家畜しているところもあります。
まとめ
日本では熊を狩猟した猟師のみが熊の胆嚢を扱うことができます。
そのため、市場に出回る数も少なく大変高価な漢方薬です。
しかし、ここぞという時に使えばその効果に期待できます。
インターネットで入手できますので一つは手元に置いておいておいても良いでしょう。