日本には、北海道に生息するヒグマと、本州と四国に生息するツキノワグマがいます。
昔話にも登場する熊は、古来より日本人にとっては関係の深い動物でした。
同時に、最も身近で危険な野生生物とも言えます。
ニュースなどでも毎年報道されるように、熊と人間の接触による被害が後を絶ちません。
テレビなどではひと際センセーショナルに報道されますが、実際には一体どれくらいの被害が出ているのでしょうか。
日本国内での熊による被害は?
熊による被害は、大きく分けて2つあります。
ひとつは、農業や林業に与える被害。
農作物の被害は、収穫間近まで成長したクリやリンゴなどの果実やなどが被害を受けるため、農家の方にとっては深刻な問題です。
丹精込めて育ててきた作物を奪われることは、物的な面のみならず、精神的にも深刻な被害をもたらします。
経済的活動としての影響以上に、農村に大ダメージを与えてしまうのです。
もうひとつは、人間が熊と接触してしまったことによる人的被害です。
ヒグマとツキノワグマを比べると、ツキノワグマは生息する地域が広く、数も多いので、人間と接触する機会が多く、事故の数も多いのです。
ヒグマはといいますと、体躯が大きく力も強いので、一旦人間が接触してしまうと、亡くなる事故に繋がることが多くなってしまいます。
熊による被害は年間どれくらいになるの?
では、熊による被害は年間どれくらいにのぼるのでしょうか。
ここでは人的被害について調べてみました。
熊の人的被害のうち、亡くなる事故は、1980年から2006年までの27年間で28件です。
これが多いか少ないかは議論のあるところかと思いますが、熊による被害が起きていることは事実であり、熊の生息地域の近くに暮らす人たちにとって、熊が生活を脅かす存在であることには変わりありません。
まとめ
実は、熊による人的被害はハチによる被害と件数としてはあまり差がありません。
しかし熊は、その巨大な体躯とパワーから、ひとたび事故が起きれば被害が甚大なことになってしまいます。
熊の被害に遭わないためには、なによりまず熊と遭遇しないこと。
人間と熊、現状では完全に住み分けることは困難な状況ですが、お互いの生活圏が重ならないよう、それぞれの領域を守っていきたいものですね。