動物のなかには、自分の子以外の子供を亡きものにする行動がみられるものがいます。
よく知られているのが、ライオンですね。
新しく群れのリーダーとなったオスライオンが、以前のリーダーが群れのメスに産ませた子供のライオンを亡きものにしてしまうのです。
そうすることで、子育て中だったメスは再び妊娠できる状態になり、そのリーダーの子供を産むことになるわけです。
これは自らの遺伝子を残すための行動として有名ですが、動物の中には自分の遺伝子を持っているはずの我が子を食べてしまうものもいます。
ホッキョクグマもそのなかの一種と言われています。
親熊が自分の子供を食べることがあるの?どうして?
2008年に、ドイツ南部のニュルンベルクの動物園で、ホッキョクグマの母親が自分の子供2頭を食べてしまうという出来事がありました。
どうしてそんなことになってしまったのでしょうか。
実は捕食動物では、たとえ自らが生んだ子供であっても、その子供が病気になったときなど、母親がその子を食べてしまったり、育児をやめてしまうことはよくあることなのです。
残念ながら、この子供2頭は姿が見えなくなったことから、おそらく育児放棄ではなく母グマが食べてしまったのではないかと思われます。
そしてこの動物園では、この出来事の数日後に、別の母グマが子供に危害を加えるような行動をとり始めたため、人工保育に切り替えるという決断をしました。
この時の母グマの異常な行動のきっかけになったのは、クマの親子を撮影しようとしたカメラマンが、強引にフェンスによじ登ったことでした。
このカメラマンの行動に驚き不安を抱いた母グマが、情緒不安定になっておかしな行動をとり始めたと考えられます。
まとめ
子供を産んだ母親が、自らその子を…想像しただけで悲しくなります。
我が家では以前猫を飼っていたのですが、親子の住処の近くで音をたててしまったために、その音に驚いた母猫が子猫をくわえて家中を歩き回ったことがあります。
幸い我が家では猫一家の引っ越しだけですみましたが、ひとつ間違えれば大変なことになっていたかもしれません。
子育て中の母親はデリケートなもの。
ちょっとしたことで情緒不安定になり、悲しい結果を招くことになりかねません。
動物園などでかわいい親子を見ることがあっても、大声を出したり大きな音を立ててびっくりさせないようにしたいですね。