野生の熊は冬眠します。
冬の間餌が少なくなり、大きな体を維持するだけの食料を確保できないためと考えられています。
そうすると動物園の熊はどうでしょうか。
冬であっても食料は待っていれば出てきます。
冬眠の必要はありませんね。
冬眠していて、お客さんが来て熊を見られなかったら残念です。
動物園の熊は冬眠しないようです。
上野動物園の冬眠チャレンジ
上野動物園では冬眠しない動物園の熊を冬眠させてみようとした実験です。
なぜ動物園の熊は冬眠しないか、餌がいつでもある状態だからです。
寒くなって体温が自然と低くなっていく変温動物や小さな冬眠動物とは違って、熊は冬眠中でもあまり体温が低くなりません。
ですから通年通り餌をやっている限り冬眠の必要はないわけです。
しかし、野生の熊の冬眠には謎が多くいまだ解明していない事があります。
その解明に向けての実験が「冬眠チャレンジ」です。
冬眠中に出産する熊の謎を解明するチャレンジ!?
さらに上野動物園では冬眠中に出産させる実験にもチャレンジしました。
冬眠しない熊であると、出産もしないようです。
熊の出産のメカニズムには冬眠が組み込まれているのですね。
失敗を重ねて冬眠する熊の謎が少しづつ解明されています。
冬眠中の餌はどうする?何も食べないで大丈夫?
冬眠中の熊の観察ができるように、穴というより冬眠ブースにはカメラが設置され、観客にも分かるようにモニターで見ることができます。
それによるとずっと動かないで眠ったままというより、時々床に敷いた藁や笹の葉をいじって遊んだり寝返りをうったりしています。
熊の冬眠を「冬ごもり」と呼ぶそうですが、そちらの方がぴったりするような感じですね。
冬ごもりであっても、餌は食べません。
冬眠に近い状態の動物園の熊も!?
和歌山市の和歌山公園動物園では、40年以上前から自然に合わせて冬眠状態にしています。
こちらは実験ではなく、寒くなって外に出たがらない熊を自然に眠らせている状態です。
ですから野生のように、何もせずずっと眠っているわけではなく、排尿に起きてきたり水を飲んだりしています。
ですが、餌の摂取量は3分の1ぐらいになるようです。
まとめ
動物園の園舎では冬になると「只今冬眠中」の札がかけられていて、今更なんで「冬眠チャレンジ」なのだ?と不思議に思っていました。
なるほど、和歌山では自然に、といっても動物園の中だけなのですが、熊が眠くなれば眠っていいよという風に飼育していただけなのですね。
それでも熊は冬眠するのだ、という感覚が子供達にも伝わっていました。
「冬眠から覚めました」というローカルニュースを見て、熊を見に行こうと動物園に出かけていったのも楽しい思い出になっています。